日本のインスタントラーメンが世界で味を変えながら広まっている

ラーメン日本食が世界に普及した例として筆頭にくるのがインスタントラーメンである。インスタントラーメンは、現在世界中で年間300億食を越す量が生産されている。

昭和32年、日清食品が売り出した「チキンラーメン」がその先駆けであるが、それ以来各種のインスタントラーメンがつくられてきた。 とくに昭和45年に外国人の消費をねらって売り出されたカップヌードルから、さらに消費には加速がついて、袋入りのめんを含めて膨大な数字のインスタントめんが生産されているのである。

しかも注目すべきは、そのうち日本で生産されている量は、50億食、つまり全世界の生産量の6分の1程度にすぎないという点である。

中国で発達し、日本で変形を遂げ、そして即席という調理法の簡略化を生んだ日本を起点に、世界に広まっていった食物が、いまでは各国独自のラーメン、インスタントめんの文化というべきバラエティーを生み出しているのである。

アメリカやヨーロッパのスーパーマーケットで売られているインスタントめんにはダシ、あるいはスープがとても日本人が考えついたものではないといったものが見られる。

チキン・アンド・マッシュルーム味とか、中華ふうのスウィート・アンド・サワー・チキン味だとか、 その地域に発達したスープ文化の上にのっかっためんの製品が見られるのである。これはもはや食の分野における一人歩き、食文化のボーダーレスな浸透とみるほかないだろう。

日本がつくりだしたインスタントめんは、めんに対してスープの割合が多いヌードル文化として、 各国独自の解釈を通じて人々に受容され、広まっていると見える。

これを日本のラーメンを誤解しているだの、本来のラーメンを逸脱しているのといったところで、それはただ自らの味覚の好みを表明したにすぎない。むしろ文化は、変形可能であってこそ広まるという典型的な例ではないだろうか。


国際交流力が進むパスタ・めん類市場
即席めんが登場したのは50年代末であった。日本で開発されたこの小麦加工品はその後10年もしないうちに本場アメリカに上陸している。めんという加工形態をとっているものの、本来、小麦をベースとした食べ物であったため、アメリカ人に抵抗なく受け入れられたといえる。

世界的にみて、最も多く生産されている穀類は小麦である。その産地は、ヨーロッパからロシアに及ぶ大陸中央平原地帯、北アメリカ中央平原地帯、中国北部、オーストラリア南部、南アメリカ等、その範囲は世界的に広がっている。

これに対して、わが国の主食たる米の主な産地はアジア諸国と中国、インド等であり、アジア地域が中心である。

即席めん業界では袋めんに加えて、カップが食器として利用できるスナックめんが登場する。これによって利便性を一層高めることになり、海外輸出も活発化した。

いまや即席めんは日本がほこる世界的な食品となっており、95年の輸出国は50カ国を超えている。現地生産等により、輸出量は一時期より低下しているものの、安定的に推移している。おもな輸出先は、アメリカ、香港、台湾等となっている。

小麦粉加工品の輸出は、日本独自の即席めんだけではない。もともと西欧から入ってきたマカロニ、スパゲティの輸出も増加している。だが、輸出先は香港に集中している。このほか、うどん、そうめん、そばが好調であり、90年以降はマカロニ、スパゲティの数量を超えている。

わが国からのめん類、パスタ類の輸出量は1万5000トン近くにもなっている。小麦のほとんどは輸入であるから、この面では食品工業としては珍しい加工貿易の一面をみることができる。
もっとも、小麦産地は海外であるから、パスタ・めん類の輸入もある。99年の輸入量は約10万トンである。その内訳は大半がマカロニ、スパゲティで、輸入先はイタリアである。数量的には輸入量が圧倒的に多いものの、輸入もあり、輸出もありで、パスタ・めん類における国際交流の活発さをみることができる。

わが国からの輸出品目は、独自開発の即席めんに、海外食であるマカロニ、スパゲティが加えられる。小麦のほとんどを輸入依存している国として、20年前には考えられないような光景が現れている。輸出国と輸入国が異なるために、相互交流ではなく迂回したものとなっているのが残念だが、まさしく国際化が展開されているのである。

パスタ類の輸入は、80年代初めには一万トンにも及ばなかったが、円高の進行とともに急増している。そして、パスタ類でみた場合、国内需要量の三分の一が輸入品で占められている。



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