日本の漫画やアニメが世界に広まり日本への興味や魅力が高まる

1.漫画 漫画を英語に翻訳してくださいというと「comic」とされる方が多いかもしれません。ところが実は、漫画は「manga」という日本語がそのまま英語になっています。

これは、日本と外国では漫画の立ち位置や仕様が違うからという理由によるものです。

日本の漫画は縦書き、右開き左綴じが基本ですが、例えばアメコミは左開き右綴じフルカラーが基本で、英語圏なのでセリフも横書きです。日本の漫画が輸出されるときはそのことを考慮して、左開き右綴じ横書きに修正されることが多いです。

また、欧米では大人が電車内で漫画を読むという光景はあまり見られません。アメコミは子供をメインターゲットにしていますが、日本の漫画は子供から大人まで幅広い層をターゲットにしています。

数多くの外国人が日本の文化に興味を抱く入り口になっているのは、日本のアニメーションとテレビゲームです。特に「侍」や「武士」といった日本の武道をイメージさせる格闘ゲームは高い人気を誇っており、そこから「柔道」や「空手」といった武道を習いに道場に通い始め、そこにいる日本人や日本に興味を持つ同じ外国人と友人になり、日本語を覚えたり、日本文化に詳しくなっていく方々がとても多いです。

カプコンが開発する「ストリートファイター」やマーブルシリーズは各国でゲームの世界大会が開催されており、日本人のプロゲームプレイヤーが歴代の優勝者であるなど、有名な方もいます。

アジア圏でもそうですが、同じく漫画についてもとても人気があり、現地の言葉に翻訳された日本の漫画が書店にずらりと並んでいます。台湾や香港では日本のアニメが人気があり、アニメソングを歌う日本のアーティストは度々海外に出向き、大勢のファンの前でライブ活動を行っています。

実際、現地でのグッズの販売や海外向けのインターネットグッズ販売が国内のビジネスよりも大きく発展し収益になっているケースが多くあります。ひと昔前までは侍などが日本を連想させるキーワードであったと思いますが、時を経て海外の若者世代が日本をイメージするのはアニメ・ゲームなどのコンテンツ分野に移行していると思います。


日本の漫画と比較されるものとして、フランスには「バンド・デシネ」という大人向けの漫画も存在します。これはどちらかというと娯楽消費のためのものではなく、芸術との扱いを受けています。

ですから「manga」という言葉が独立した単語としてそのまま英語になっているのです。 ところで、漫画市場として有名なのは日本の他にアメリカやフランスが挙げられますが、いずれも数億円を超えません(※ユーロ・ドルから概算)。

それと日本の市場を比較してみますと、映像化、商品化などの二次使用、三次使用も含めると、漫画市場の規模は2008年時点で3兆円を超えています。実に巨大な市場であるといえます。


2. 日本製漫画が世界にどれほど進出しているか、 それはわれわれの想像をはるかに越える。しかもそれは、たんなる娯楽、子供たちにとって楽しい見もの、読みものの域をはるかに越えた広がりをもつ。

パリ・ロンドン・ニューヨーク・ハノイ・香港・シンガポール、とにかく世界各地で日本の漫画に出会う。

その範囲は、日本の戦後漫画史を切り拓いた手塚治虫のものから、大友克洋の衝撃的なSFものにまで及ぶ。家庭漫画、宇宙もの、スポーツ根性ものなどじつにさまざまである。

そして世界の子供は、日本の漫画をたんに娯楽として受け取れるだけでなく、さらにみずからが漫画をつくろうともしている。漫画を通じて、時には日本語をマスターしたいと願い、日本を知りたいと思う強い願望をもつ例もあらわれてる。

じっさい、 日本への興味、 日本研究への関心が、 高級な文化でもなければ高度な思想に裏付けられた権威のある文化でもない、大衆的なサブカルチャーとされる漫画からも生まれている

このことは文化の受容や、文化の普遍性を考える材料として、漫画が侮れないものであることを示す。
子供たちにとってむしろ漫画こそ、 日本への関心を引き出す力を持っているという点で、漫画は日本の誇る生活文化だといえるのではないだろうか。

日本漫画が広まるきっかけは、それぞれの地域によって異なる。その違いは、それぞれの地域に日本漫画を受容する上で異なる背景があったことを示唆する。

日本の漫画が認知されている国
フランス
キャンディキャンディ
ドラゴンボール
聖闘士星矢
シティハンター

中国
テニスの王子様

タイ
ドラゴンボール
NARUTO
ちびまる子ちゃん

イタリア
キャプテン翼
ルパン三世
エヴァンゲリオン

アメリカ
鉄腕アトム

カナダ
NARUTO
ポケットモンスター

台湾
SLAM DUNK
ちびまる子ちゃん

中南米
キャンディキャンディ
ドラゴンボール
ポケットモンスター
アルプスの少女ハイジ

たとえばアメリカは、 われわれ戦後世代もその影響を強く受けたディズニー漫画の歴史をもっていた。むしろアメリカは、日本の漫画文化を育んだ国という方が正しい。

フランスは、日本の漫画が広く受容されている地域だが、子供向けのコミック文化が一定程度存在していた。しかも日本製漫画の受容にいたる直接の前史として、日本製アニメの放映が多かったことも影響している。 現在でもフランスでは朝のテレビ番組に日本製アニメが多く顔を出す。

フランス語と同根のロマンス語系の国であるスペインやポルトガルでも日本製アニメの放映は多い。 この二つの国でも日本漫画は人気がある。

ゲルマン系のオランダやドイツではこれに反してアニメの放映が少なく、 また日本製漫画の普及も、フランスに比較してずいぶん少ない。漫画受容の違いは、それぞれの国のコミックやアニメに対する姿勢を浮き彫りにするものでもある。


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