日本の敬語は高度過ぎて日本人も苦手で外国人にも理解しにくい

1.苦手意識のある敬語日本人にとって少し苦手意識のある敬語ですが、外国人が日本語を学習する上でも敬語は大きなポイントのひとつになります。敬語にはいろいろな形がありますし、誰の行為にどのような言葉を使ったらいいのか覚えるのは大変です。

時々「私は敬語を使わないから勉強しない」と言い張る学生もいますが、日本で生活する以上「敬語」と無縁ではいられません
「敬語が使えるようになったら、日本語話者としてレベルアップできますよ」などとうまく乗せて授業をやっていると、たまに「アルバイト先で教えてもらう敬語が変です」と言う学生が出てきます。

コンビニのレジで、お客さんに「レシートのほう、お返しになります」と言ってね。と指導されたのだとか(店員が「お返しになる」のは変だというのです)。そんなとき「確かに変ですね。でも、そこは合わせておいたらどうですか」と学生には大人の対応を勧めつつ……「その『敬語』、間違いです!」と声を上げないのは日本語教師としてはどうなのかと思ったり。悩ましいことですねぇ。

2. 「敬語」はほとんどの言語に存在すると言われていて、特に日本語は「敬語」が高度に発達した言語だとされています。
にもかかわらず、「敬語を正しく使えていない」と感じている日本人が多いそうです。2007年2月、『敬語の指針』という答申が文化審議会から出されました。ちょっと取っつきにくそうですが、この「敬語の指針」には「Q&A(みたいなもの)」が付記されています。質問例をあげてみます。

(1)受付の人に、「担当者に伺ってください。」と言われたが客に対する言い方としては、何だか妙な感じがした。どこが変なのだろうか。
(2)「御持参くださし」、「お申し出くださし」、「お申し込みください」などといった言い方には、「参る」や「申す」など、本来自分に使う敬語が入っているのでいつも気になっている。これらは適切な使い方なのだろうか。
いかがでしょうか。

このような「疑間に思っていたけど誰に聞いたらいいのかわからない」質問に具体的なわかりやすい解説がついています。それぞれの正しい使い方は、是非、ホームページで確かめてみてください。その他にも、長年の疑間が解ける発見があるかもしれませんよ!

日本語の文法や発音は、多少曖味でも日常生活で(あまり)困ることはありません。ところが文字にするといろんな問題が出てくることに気付きます。
例えば※「こんにちは」と「こんにちわ」、「会費を徴収する」と「会費を徴集する」、「危なし」と「危い」、どっちが正しいのか。このあたりの問題は「まじめに日本語を勉強した外国人学習者の方が、ずっと正確に答えられるかもしれません。

そのうち日本人は、「正しい日本語」を日本語学習者に頼らなければならなくなるのでしょう。

かつ 「それはちょっとね……」と言う方は、ぜひ『新しい国語表記のハンドブック』を参考にしてください。表記に関する「きまりごと」を手軽に調べられるよう編集されたものです。今はパソコンソフトを使えば変な日本語を直してくれることも多いです。
※正解は「こんにちは」「徴収する」「危ない」です。







この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!