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カタカナが日本人の英語の上達を遅くしていた原因だった
2024年10月22日更新
目次
1.
英語学習に及ぼす悪影響
2.
フランス版カタカナ語
カタカナが日本人の英語の上達を遅くしていた原因だった
1.
英語学習に及ぼす悪影響
外国語でも特に欧米の言葉を
日本語
に取り入れたものを「外来語(またはカタカナ語)」と言います。常にカタカナ表記されている言葉は「もとは外国語なんだな」とすぐにわかりますが、なかには、日本に入ってきた時代が古かったり、漢字までできていたりして「外来語」だとすぐにわからないものもあります。
例えば、有名なものでは「天ぷら」「カルタ」「金平糖」などがあります。初めて知ったのは「合羽(かっぱ)」「カボチャ」「襦袢(じゅばん)」「イクラ」など。なかでも「襦袢」が外来語だったと知った時は衝撃的でした。「超」伝統的だと思っていたものが実は外来語とは。しかもポルトガル語です。
また、「イクラはロシア語です」と教えられたのは授業中。ロシア人からでした。その時は疑わしく思い、軽く受け流していたのですが、調べたら本当でした。ちなみに、「サボる」もフランス言吾の「サボタージュ」からきています。
日常的にカタカナ語を使っていれば、それが国際化に繋がるかというと、それは、まずない。
カタカナ語によって日本人の英語が上達するかというと、それもない
だろう。 フランスと日本を比較してみよう。 実はフランスでも、米国の影響を多大に受けた時期があった。
第二次世界大戦の際には、フランスは米国の援助がなければヒットラー率いるドイツ帝国に完全に負けていただろう。多分、ずっと占領され続けていたかもしれない。そんな時代背景があるので、フランスも かつては、日本と同じくらい米国に対する憧れがあった。フランスにも英語が流入し、現代の日本の「カタカナ語現象」と同じようなことが起こったのだ。
その時にフランスはどうしたか?フランスの文部省は大きな危機感を抱き、フランス語の英語化に対して、さまざまな措置をとった。それにも関わらず、巷には日本で言う「カタカナ語」的な英語が広まってしまったのだ。
では、そのお陰でフランス人の英語が上達したかというと、まったくそれはなかった。 例えば、英語で「国際化」という意味のインターナショナリゼィションという言葉を、フランス語では、ほとんど同じ綴りで似ていると、かなり英語が上手な人でも、少し速く話そうとしたり、ごく自然に話をしているような時には、本来の英語の発音ではなく、フランス語風に発音してしまうのだ。
2.
つまりこれが、フランス版カタカナ語というわけだ。日本人の英語の勉強にも、これと同様の弊害が生じている。日本語の中で使われるカタカナ語は、英語の発音ではなく、日本語のカタカナ語というべき発音になってしまっている。これでは外国人には通じないばかりか、言葉がやたらと長ったらしくなり、意味まで暖昧なものになってしまうのだ。
多少日本語が分かるようになると、一番苦労するのが、このカタカナ語かもしれない。 漢字なら、熟語の片一方の文字さえ分かれば、ある程度の意味は想像できる。また、たとえ意味が理解できなくても、漢字の部首に魚偏の文字があるだけで、魚や海に関するものだろうなというぐらいは分かる。しかしこれがカタカナ語になると、丸暗記しない限り意味を理解する手だてさえ無くなってしまうのだ。
例を挙げると、心的外傷という意味の「トラウマ」という言葉がある。 最初にこの言葉を見た時、僕の頭の中に浮かんだものは動物の「虎」と「馬」。動物の名前はカタカナで表記されていることがよくあるからだ。だから、この「トラウマ」とは、果たしてどんな動物なのかと一所懸命に想像を働かせた。もしかしたら、日本には未知の動物がいるのかとさえ思った。
しかし、改めて人に説明をしてもらって、やっと英語の「trauma」だということが理解できた。 こんな笑い話で済むうちはいいが、ここにはさまざまな弊害があることを覚えておいてカタカナ語を格好いいと思う風潮もよくない。たとえ総理大臣や都知事が難しくて新しいカタカナ語を使ったとしても、それを格好いいと思うのは間違っている。格好 pennant、をいいという以前の問題で、意味が暖昧になってしまうのだ。
外国人が聞いても
カタカナ語は英語の発音ではないので、意味が理解できない
。 カタカナ語による思考停止 カタカナ語による弊害の中で、最も害が大きいと思われるのが思考停止状態に陥ることだ。意味の暖昧なカタカナ語に接しても、ほとんどの人がその意味を調べようという努力を怠る。
人がどんどん、考えることを怠るようになるのだ。 今の時代は、通信手段でも交通手段でも、何に関しても時間の流れが速くなったと言われている。2000年から2001年、あっという間に21世紀が幕を開けた。まるで「光陰矢の如し」のような速さで時が過ぎてゆく。 新世紀が始まってからは、さらに時間の流れが速くなったように思われる。現代に生きる人々は、昔ほどじっくりと物事を考える暇がなくなってしまったのではないだろうか。
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