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途上国の貧困状態は悪化している!日本のODAとDAC各国
2024年10月22日更新
目次
1.
ODAとは
途上国の貧困状態は悪化している!日本のODAとDAC各国
1.
その状況を反映してか、G8諸国1人当たり国民総所得(GNI)は、平均で3万ドルを超える一方、200ドル以下に置きとどめられている国は、50カ国に近い。サブサハラアフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカ)、西アジアに貧困地域が集中する。
当然、途上国からの援助国に対する期待は引き続き強い。こうしたことを踏まえ、2000年に、国連はミレニアム開発目標と呼ばれる「初等教育」「環境」「ジェンダー」など
途上国の抱える8項目について達成目標を決め、援助国は、こうした分野に特に配慮して援助を行うことを決めた
。
冷戦後、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)加盟国の大半は、ソ連の脅威消滅を理由に、ODAよりも国内政策に重点を置き、
ODA
予算を削減してきた。他方、日本は、国際協力としてのODAは重要だという観点から、1997年度までは少なくとも、予算を増加させてきた。
その傾向に変化が現れたのは、2001年の9.11同時多発テロ事件であった。 途上国がテロの温床になってはいけないと、米英仏独を中心にODA予算を増加させた。 他方、日本はすでに、その時点で財政悪化を理由にODA予算を漸減させてきた。その結果、07年度予算額はピーク時と比較すると38%も減った。ODAを純支出額ベースでみると、この傾向が続けば、第1位の座を米国に 明け渡したばかりか、日本は早晩、仏、独にも抜かれ、第5位に転落するという可能性も捨てきれない。
05年をみると、支出額は増加しているではないかとの指摘があろうが、これは純増ではない。実にややこしいが05年は、イラクヘの貿易
保険
等の債務帳消し(債権放棄)分がODAの贈与として、ODA実績にカウントされているにすぎない。 一時的に支出は増加したようにみえるが、帳消しの対象債権は、まもなく底をつくのだ。加えて、円借款の返済が順調に行われていることも、支出額にはマイナスとなる。返済分は、DACの規定により、支出額から「引く」ことになっているからである。
2005年のアナン国連事務総長の次のような発言は記憶に新しい。「国連安全保障理事会常任理事国入りを目指す国は、ODA実績をGNI比で0.7%とし、目標達成のスケジュールを明らかにする」ように求めたのだ。安保理入りを目指す日本は、その要請に応え、05年の4月には、50年前と同じインドネシアのバンドンで開催されたアジア・アフリカ会議で小泉純一郎首相が、「今後3年間でアフリカ向けODAを倍増し、引き続きその中心を贈与とする」と公約した。さらに、その年の7月には主要国首脳会議(グレンイーグルズサミット)で、「今後5年間のODA総事業量について、04年度実績(89億ドル)をベースとする額と比較して100億ドルの積み増しを目指す」ことを明らかにした。 これら一連の日本政府の公の場での発言は、途上国はもちろん、ODAに関心をもつ国際社会から歓迎された。
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