ODAで先進国の仲間入り!?日本が援助している国とは

ODA1.政府開発援助(ODA)
先進国であれば、ほとんどの国がODAによって発展途上国を支援しています。あんまり小国だとわかりませんが、ODAを行っていない先進国というのは聞いたことがありませんので、ある意味、諸外国から先進国として認められる条件の一つがODAの供与という感じなのではないでしょうか。

ちなみに、韓国などの経済成長と遂げた国もODAをスタートし始めていますし、南南協力といってタイやマレーシアのような新興国でも、より貧困の度合いが高い国を助けています。中国のアフリカ支援は規模や手法の面で注目を集めていますよ。


ODAには2国間援助と多国援助とがあり、2国間というのは呼んで字の如しです。

多国援助は日本は国際連合世界食糧計画 (WFP) 、国際連合開発計画(UNDP) 、国際連合児童基金 (UNICEF) 、世界銀行 (IBRD)、アジア開発銀行 (ADB) などの国際機関に資金を拠出して、多国間援助を行っています。

他の国については、それぞれの経済力に応じて貢献をしていますので、日本より経済規模の小さい国は少なくなります。

日本は世界で5位か6位ぐらいの規模でODAを出していますので、金額面ではそれなりですね。
ただ、GDPとODAの金額を比較すると、日本は先進国の中では最も比率が低い国の一つです。

先進国ではGDP比0.7%を寄付しようという、共通の目標を定めたこともありましたが(日本だと500兆×0.7%=3兆5000億円)、最近の日本のODAは5,000億円前後と0.1%程度しか寄付できていませんので、日本が途上国を支援している事への評価が低くなってしまいがちです。


2.日本のODA拠出先上位10か国(2014年)
国名 実績額
1 ベトナム 1,523.09
2 インド 704.81
3 イラク 365.45
4 バングラデシュ 307.70
5 アフガニスタン 269.67
6 パキスタン 244.30
7 ミャンマー 213.92
8 タイ 157.10
9 スリランカ 133.49
10 カンボジア 124.31


ちなみに2011年に世界で最も支援を受けた国は日本です。東日本大震災では発展途上国(イラクやアフガニスタンなども含めて)からも、様々な支援の手がさしのべられました。今まで日本がやってきた事が、それにつながったのでしょうね。

3.なぜ援助をするのか
長い目で見ればプラスを見込んでいるからです。

•ODAで開発することにより、日本企業にインフラや機械の需要が出来る
•ODAで開発が進めば、日本企業が経済活動をしやすくなる
•現地が豊かになれば現地に対する投資や輸出拡大が期待できる。
•資源開発が進めば、石油等を安定的に確保できる
•中国やインドへの対抗
•現在、資金不足の国に恩を売れる

など、理由はたくさんあります。
今は日本以上に経済的にシャレならない国が沢山あります。
投資としてみれば、そういう国なら色々安く使えますから、ビジネスチャンスといえます。

経済大国・資源小国の日本
厳しい財政状況とはいえ、日本は世界第2位の経済大国である。高貴な人はそれに相応しい振る舞いが求められるという「ノブレス・オブリージュ」という言葉を思い出さざるをえない。それに、日本は資源の90%を、途上国を含めて対外依存している。現在の生活水準を維持するには、途上国との良好な関係の確立がなによりである。

ODAはそうした環境を整備する役割を果たしている。途上国への一定規模の支援は、日本にとり国際的な義務だ。 ノブレス・オブリージュを改めて思い起こさせるドキュメンタリー映画が、日本で06年に公開された。『ダーウインの悪夢』(04年、フランス・オーストリア・ベルギー合作。フーベルト・ザウパー監督)と題されたこのドキュメンタリー映画を、「やらせ」の可能性があると指摘したり、やや一方的な作りだと批判することは容易だ。しかし、そこには、真実の一部に過ぎないにせよ、我々が日頃忘れている世界の光景が広がる。日本の豊かさが、途上国の協力なしには、成り立ちえないということがよくわかる。 映画の舞台は世界第3位の広さを誇るタンザニアのビクトリア湖。

そこに本来の生態系とは無関係の、ナイルパーチという巨大な魚が繁殖する。それを、湖周辺の漁民が、捕獲し、加工し、欧州を中心に輸出している。ここまで書けば、途上国が経済的離陸を果たす過程の一つのエピソードのように思える。雇用は増え、タンザニアの業者も順調なビジネス環境のなか、豊かさを謳歌している。

グローバリゼーションの正の部分をここから確認できる。ところが、別の実態もある。映画は、ナイルパーチをめがけ、内陸から働き口を求めて多くの農民が湖岸に集まり、売春婦もやってくる様子を描きだす。カトリックの影響が強く、コンドームは使われにくく、HIV/AIDSの惨禍は野放図に広がっていく。

教育の機会のない子供たちは、毎日、喧嘩に明け暮れている。中にはシンナーにおぼれていく子供もいる。ナイルパーチを食べる経済的な余裕がない漁民は、骨と皮だけになった2メートルもあるかと思われる残りを、岨を取り除いて干物にしたり、油であげて、それを内陸アフリカに販売している。すさまじい光景だ。実は、われわれ日本人が日常的に食べている自身魚の一部は、このナイルパーチだ。外交的な観点からの議論ももちろん必要だが、そうした立場からしても、グローバリゼーションに伴う負の部分に、先進国の人々はもっと関心をもつべきだ





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