電話に関する日本と各国を比較したときに違いがありすぎてびっくり

1.各国の電話事情安くかけるなら電話屋
携帯電話ではなくて、電話屋という場所を使う方がお得というのが常識になっている国もある。ペルーなど南米諸国の町中で目に付くのが「LOCUTORIO(ロクトリオ)」の看板。もともとは修道院などの面会所を指す言葉だが、実は「電話屋」だ。

確かに小さな扉が付いた電話ブースが暗い屋内に並ぶ様は、どこか宗教的な雰囲気を感じなくもない。 一般的なロクトリオは指定のブースで電話をかけ、帰りに受付で料金を支払う形態。インターネットを時間貸しする施設などを備える店舗が多い。電話会社と大口契約を結んでいるため割安なのが特徴だ。

首都リマの新市街ミラフローレスで写真店を兼ねたロクトリオに行ってみた。店を訪れたのは携帯電話を手にした初老の女性。 携帯を持っていても、わざわざロクトリオを訪れるのはやはり料金の安さから。店員によると「0.75ソル(約24円)の通話だったら0.5ソルになる」という。 携帯電話が普及しても南米で携帯電話は前払い方式が一般的だが、有効期限があるため、まとまった金額を支払っても一定期間後に無効になる場合がある。無駄払いをするぐらいならロクトリオでその都度払うのが賢明。

人口の6割を超える1800万台の携帯電話が普及していても、ペルーでロクトリオへの支持は根強い。 ただし、利用にはちょっとしたコツも必要だ。先ほどの女性もしばらくして「電話がつながらない」とブースから出てきた。店員が相手先の電話番号を確認し「電話会社が違うわ」。携帯電話にかける場合、相手の電話会社によって使うブースが異なるのだ。「この番号はクラーロ(メキシコ系)じゃなくてモビスター(スペイン系)だから、こっちでかけて」。

日本でいえば、相手の携帯電話がドコモかau、ソフトバンクなのかまで把握しなければ使えない。 そうこうする間に、ビジネスマンは隣国コロンビアに数件の電話。学生風の若者はホームページを数枚、印刷していった。ロクトリオは街角の気軽なビジネスセンターの役割を果たしている。


2.電話帳は苗字ではなくて必ず名前順
世界最北の島国、アイスランド。事情を知らない人がこの国で電話帳を手に取ると、必ず混乱することになる。氏名の掲載がラストネーム(名字)の順番ではなく、ファーストネーム(名前)順なのだ。

アイスランドの人口は国全体でも約32万人、首都レイキャビクに限れば12万人前後。 顔見知りが多く、人々が互いにファーストネームで呼び合うのは確かだが、だからといって電話帳の記載を名前順にするほどの規模ではない。

そもそもアイスランド人には決まった名字がないのだ。 先祖から受け継いだ名字を使う日本などとは違って、アイスランドの名字は基本的には父親の名前によって決まる。生まれたのが男の子なら父親の名前に「ソン」をけたものが子供のラストネームになる。女の子なら「ドッティル」が付く仕組みだ。

親子で名字が異なるばかりでなく、兄弟であっても性別が違えば名字も異なる。 名前で男女を判断2009年2月に就任したヨハンナ・シグルザルドッティル首相の場合、その名字は本来は「シグルザルの娘」を表す。アイスランドによくある名字のヨハンソンは「ヨハンの息子」という意味だ。だから父と子が同じ名前を使うときは「ヨハン・ヨハンソン」(直訳すればヨハン・ヨハンの息子)といった氏名もあり得る。

外国から移住してきた人たちが例外的に「普通の名字」を持つ場合もある。ゲイル・ホルデ前首相は親と同じノルウェー系の名字を使っていた。ただアイスランドではなじみにくいのか、国内では名前の「ゲイル」で呼ばれることが多かったようだ。 ややこしい制度だが、利点もある。

ラストネームさえ見れば、会ったことがなくても男性か女性かがわかるからだ。金融危機を受けた政局混乱のなか、シグルザルドッティル氏が新首相として取りざたされたとき、アイスランド人は「初めての女性首相の誕生か」と思いめぐらすことができたそうだ。



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