日本食が世界に広まり定番料理以外にもたくさんのメニューが普及

ここ最近は日本食の注目度が上がり、世界の各地で日本食のお店が出店しています。寿司だけではなくうどんやラーメンなど和食全般で味だけではなく見た目が美しいことから世界から注目を浴びています。そして、世界では味わえない独特な味にも興味を持たれ好評を受けています。


寿司 写真かつて外国人のあいだで話題にのぼる日本食といえば、ヤキトリ・テンプラ・スシが御三家といったところでしょうか。

これに加え、調味料として醤油をベースとするテリヤキやサシミもやはり日本食のイメージをつくりあげてきました。

もちろんいまも、これらは海外日本食レストランの大事なメニューなのである。

しかしこれまでは、庶民の手が届きにくい高級レストランのメニューでしかなかったこれらの日本食に加えて、最近ではカツ丼・天丼あるいは焼き魚定食、コロッケ定食などという、サラリーマンや学生が食べるようなランチメニューが日本食レストランで提供されることが増えてきたのです。

いまやニューヨークでもロンドンでもマドリッドでも、サンマに大根おろし、それに味噌汁をつけて昼の定食として食べる、といったようなことが簡単にできます。

食の世界は、日本食の分野に限ってみても、確実に国境を越える「ボーダーレス」の時代になってきています。

ただしこのボーダーレスの背景には、 かつてのような色濃い国籍がないのが特徴です。日本食といっても、もともとの性格が「日本」のみで成り立っているのではない点にも注意すべきでしょう。

天ぷらを日本の伝統食だと思うこと自体、ポルトガルに申し訳が立たないように思われます。コロッケを日本食だと言い張るのも無理があるでしょう。

けれどもまたカレーやカツ井を、日本食ではないとするのも不自然で、洋食と名づけられた日本食と思う方が普通ではないでしょうか。

そんな広い意味での「日本食」がいまや世界各地に出回っているのです。 調味料・食材・料理などさまざまにわたる「日本の味」はどんどん普及しています。


世界の中の日本食について
日本食は、 かつてとは違うボーダレスを経験していると考えてよいでしょう。

たとえば醤油をつくっているメーカーは、イギリスにもアメリカにもブラジルにもあります。また新しいところではカニ風味かまぼこが世界に受け入れられつつあります。アメリカで本物のカニよりヘルシーだと受け入れられたのが、今ではヨーロッパ各国、アジア諸国にも進出しているのです。

醤油もカニかまぼこも人気のひとつはヘルシー感覚にあります。 味覚でしっくりくるというより、まず「健康」が先にきた感じです。

そういえば、おかきやせんべい、豆腐なども海外でよく見かけるようになり、日本食は最近健闘しているなと思いますが、やはり低脂肪というヘルシー感覚が効いているようなのです。

日本人が思いつかなかったような文脈で、日本食は理解され消費されているのでしょう。じつに食の世界はボーダーレス化が進んでいるというほかにありません。この勢いが続けば日本食は世界各国で食べられるようになるでしょう。

日本人の食文化に対するこだわり
寿司屋さんなどに行って注文するおまかせ的な様式は、他の国や文化ではあまりないのでは お客はお店を信じること、お店はお客が何を望むか察する力が必要ですよね。

・繊細な味(豆腐や米、そして素材を生かした薄味の料理など)。
・照り焼きなどの要である「甘醤油」と、うどんつゆなどの「だしの味」はかなり喜ばれます・空港を降りると韓国はキムチ、日本は醤油の香りといわれるくらいですからね。
・お弁当に代表されるように、カラフルな見た目の美しさ。
というようにあげればきりがないですよね。世界的な健康ブームが相まって日本料理は世界三大料理以上の実力を発揮していると思うのですが……。

おしぼりですが、おしぼりを出すというのは、日本人らしいゆかしい習慣ではないかと思います。他のアジア圏内のタイや韓国ではおしぼりを出すレストランはありますが、ものは紙製がほとんど。使い捨てで香りが付いていることが多いです。また有料のこともあります。
ハンドタオルのおしばりはとっても日本的。お店からのお客に対するおもてなしの心遣いを感じます。
その他にも「おしゃく」という行為もそうですよね。グラスにビールがなくなりかけたらすかさず誰かが気がついて注ぐ。
大きな宴会だと「上司に注ぎに行く」ことがコミュニケーション手段にも使われますよね。これも日本的な仕組みかもしれません。

海外では、たとえばオーストラリアでは、「シャウト」でした。4人でバーに行ったとすれば、1回目はTさんがみんなの分を買ってくる。2回目は私がみんなの分を買ってくる。3回目はHさんが…‥ってことで4杯呑む感じです(笑)。これも確かに面白い仕組みでした。それにビールを好まない私は、結局人より高いものをオーダーしてしまうことになりますし、また、オーストラリアの友人Sと一緒に旅館に泊まっていた時のことです。

Sは朝食の他のおかずはすべてたいらげたのですが、生卵は食べないため手を付けずに残しました。次の日の朝食にまた出てきたでしたが、Sの卵だけ触ると少しあたたかかったのです。私たちの卵は生のままでしたが、Sの卵だけが、ゆで卵となっていました。
Sが生卵を食べないということを話したわけではなく、旅館の従業員の方がSの昨日の行動から何かを察知し、ゆで卵を出してくれたのでしよう。Sは日本人の心遣いに感銘を受けていました。なんとも嬉しい出来事でした。

食に対するアレンジ力
日本は四季に恵まれ、その季節に応じたさまざまな食材が食卓を彩るため、多くの日本人が食に深い畏敬の念と関心をもっているのでしょう。
日本人の食生活の豊かさは、平均寿命にも表れています。世界の平均寿命が、男性66歳、女性70歳、男女平均68歳であるのに対し、日本人の平均寿命は、男性79歳、女性86歳、男女平均83歳でした。日本男性は、世界193カ国中第4位、日本女性と男女平均は第1位でした。

近年では、多くの日本食が海外でも親しまれています。以前、私が上海に行った時のことです。現地のおいしいラーメン店に行きたいと思っていたところ、中国人の友人に連れて行かれたのは、日本のチェーン店でした。韓国の飲食店ではインスタントの辛ラーメンですし、日本のようにご当地ラーメンまである国は珍しいでしょう。

また、日本人は食に関しても組み合わせの天才ではないかと思います。「ゼロ」からの発想力は乏しいかもしれませんが、原型から独自に研究開発してよいものをつくるアレンジカって、すばらしいものがあるように思います。


日本人の食生活を諸外国と比較
日本人の食生活を諸外国とおおまかに比較してみると、穀類、豆類、魚介類の消費は世界最高水準で、肉類、乳製品、油脂類の消費は最低といわれています。総じて、健康によい食生活とのイメージが高く、海外での日本食人気の大きな理由ともなっています。

ただし、それも昭和40年代ごろの栄養バランスが最もよかったとされ、この時期以降は食の洋風化が進み過ぎたことの弊害もあって、子どもの間での成人病増加が問題になっています。

さらに最近では、日本人の食への情熱が薄れている、という気になる話題もあります。

それは固形、液体、ゼリーなどさまざまな形態の栄養補助食品の市場が、急拡大した事実に象徴されています。パソコンのキーボードをたたきながら、チューブからゼリーを吸って食事は終わり。若い層では違和感のない風潮だといいます。

また、カップめんや焼きおにぎり、ホットドッグなど一日中スナック食で過ごす、若者の貧しい食生活と、彼らの衝動的な行動や集中力の欠如などとの因果関係も取りざたされています。国民栄養調査でも、20代男性の3人に1人、同女性の5人に1人が欠食が多いと答えている点も問題です。



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