盆栽までも世界進出して日本のイメージとは違う形になっている

1.盆栽 写真盆裁のイメージといえば年寄りの道楽で、若者とは無縁との印象がいまも強いようです。

せいぜい植物愛好家の一部に存在する盆裁マニアだけの領域とふつうは受け取られているのが現状でしょう。ところが海外では、 若者のあいだでも盆栽を趣味にしている者が意外にいるようなのです。

じっさい、海外でBONSAIの文字に出くわすことが多くなってきました。

ドイツ・フランス・イギリスのほかスペイン・イタリアなどのヨーロッパ諸国、アメリカはもちろんカナダや南米のブラジルでも「ボンサイ」に出会った経験がある人もいるのではないでしょう。

サンパウロの目抜き通りで若者が屋台を出して 「BONSAI」を売っているのには驚きました。

そんな屋台が二つも三つも店を出しているのです。しかもそのボンサイは、マツやカエデといった日本の植物ではなく、現地の植物材料を用いて仕立てられていることが多いです。

かつて、盆栽は、日本フェスティバル、日本フェアなどと銘打った日本文化紹介の催しの飾りもの、添え物としてくらいしか出番がないといった印象でした。

日本側が積極的に持ち出す日本文化ではなく、外国側の要望に応えて仕方なく出展していた気配もありました。なぜなら盆栽は俳句と並んで戦後の日本で、とくに老人趣味だと見下すような風潮にさらされていたからだ。経済復興を成し遂げ、「活力」ある社会を実現する上で足を引っ張るような、 困った日本文化に数えられていたふしがある。

ところがその困った日本文化、持ち出すにはためらいがあった文化の方が海外でいま人気を呼んでいるのです。日本からの強い輸出努力があったわけでもありません。とりたてて外国へ持ち込もうとの意図もとくになかったようです。

ところが中国の強い文化的影響下にあったべトナムなどでも、中国語のPENJING(盆景)よりBONSAI(盆栽)の方が、より通用しています。日本人が見てたしかに日本文化といえる「盆裁」かどうかは、断定できません。

その地域独特のボンサイとなって、「盆栽」とは似ても似つかぬものに変身しているにしても、世界各地におけるボンサイの普及は侮れない規模になりつつあるのです。


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