1.うま味は日本が発見して世界に配信した第5の新たな味覚

うま味(umami)は、味の基本的な要素である甘味・塩味・苦味・酸味と同じ味覚の一つで、日本語から世界に出ていった言葉です。

またうま味は、素材の味を生かす和食では重要な位置をしめており、 コンブや鰹節、シイタケなどを使って出汁をとることはよく知られています。

日本人は経験からうま味の存在をはやくから認めており、うま味を追求する食文化を発展させてきました。 一方、欧米では、うま味の概念がありませんでした。もちろん、ブイヨンのように肉から出汁をとる調理の方法はありますが、 うま味は甘味や塩味などといったそれまで認められていた味の複合的なバランスのよさからくる味覚の一種に過ぎないと思われていました。

しかし、1908年に池田菊苗によって昆布の中からうま味の成分であるグルタミン酸が発見され、その後も日本人によって、 鰹節のうま味がイノシン酸、シイタケのうま味がグアニル酸であることが発見されました。

また、今ではうま味成分の化学物質とそれを知覚するグルタミン酸受容体が舌の味蕾にあることがわかっており、 うま味は、甘味・塩味・苦味・酸味に続く、第五の基本的な味の一つとして認められるようになりました。

うま味(umami)という言葉は、寿司(sushi)や畳(tatami)同様、 日本語発の、世界に通じる言葉となった言葉の一つで、日本文化のほこるべきものの一つでもあります。

2. ところで、「旨味」という言葉もありますが、 これは「うま味」と同じ読み方ということもあって区別されずに使われることもあるものの、厳密にいうと意味は違います。

「うま味」は、グルタミン酸を発見した池田が名付けたもので、 甘味・塩味・苦味・酸味とならぶ5基本味(全ての味は基本となる五つの味の組み合わせで表現できるとすること)の一つです。 一方、「旨味」とは、食べ物の「おいしさ」をあらわしています。







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