日本はどこでも物産展で遠い地域の文化を楽しめる魅力

うまいもの市の幸福
日本で楽しみにしている文化のひとつとしてデパートなどで開催される「○○物産市」という地域の特産を販売する催し物があります。

北海道、北陸、東北、九州、京都など、豊富な食文化を長年育んできた地域の昔からの郷土料理や食材、そして、最近のグルメブームに乗って新たに開発されど当地グルメ的な加工食品やお菓子など。会場にみなぎる熱気と食い気は、まさに日本人を元気にするパワーが爆発する場所でもあります。

この手のイベントでは、例えば、北海道の名産品を現地に行かなくても入手できるだけでなく、現地の文化や風士に根付いた特産品の由来なども学ぶこともできます。 なんとなく、昔懐かしい社会科授業のような気分で会場を回るのも風情があります。

大道産子市という北海道の人が聞いたら笑ってしまうようなタイトルの物産展に行ったときの話ですが、松前漬、蟹、しゃけ、海鮮丼から、サッポロラーメンや今はやりのスイーツまで、血眼になって買い漁る主婦や夫婦連れを改めて冷静に見たときにシカゴでニューヨーク物産展をやっても人は集まらないと思いました。

なぜかというと、ピザやホットドッグの類しかないアメリカ料理では、地元バージョンが他よりも勝っているというホームフィールド意識が根底にあるからです。

ザワークラウトというキャベツの酸っぱい炒めものが入っているシカゴドッグに慣れたシカゴアン(シカゴ人)は、ケチャップとマスタードとレリッシュ(きゅうりのピックルスを刻んだもの)だけのニューヨークスタイルはホットドッグではないと言い切ります。また、チリ・ビーンズ(甘辛い豆)の入ったチリドッグが大好きなハリウッド人などは、ザワークラウトは動物の餌だという始末なのです。

要するに、自分が生まれ育った味以外は、異端の食べ物と位置付けるのがアメリカ人、他県の産物をありがたく賞味して気に入ればお取り寄せまでもしてマイ文化にしてしまうのが日本人というわけです。

この狭い島国国家でありながら、地域文化に根差した食文化を国民レベルで楽しむ日本人は、「味わい」を大切にする世界有数の「味わいのある」民族なのです。ニューオーリンズのガンポーやテキサスBBQを、寒いミネソタやウィスコンシンあたりで食べさせたり、ボストンのクラブケーキ(蟹コロッケ)やクラムチャウダー(しじみのクリームスープ)をロサンゼルスで売る、日本スタイルの物産展をアメリカでやったら面白いかもしれません。

うまいものという点では、小腹が減ったらコンビニか自販機でクッキーやチップスを買う欧米人とちがい、会社やオフォスで、大人をターゲットにした「お菓子スタンド」が置かれているのには、外国人もビックリです。

大手菓子メーカーがオフィス従業員向けに、小さなプラスチックのお菓子スタンドを設け、定期的に品物を補充していくシステム。彼は、ただ単に顧客開拓という角度からビックリしたのではありません。

そのスタンドの引き出しの中には、自社製品のみならず、顧客から要望のあった他社製品までもが補充されていた点が、競争社会アメリカのビジネスマンの度肝を抜いたのです。

オフィスワーカーがひとときの憩いを求めてお菓子スタンドに足を運んでくれるからには、他社製品であろうともサービスでストックしておく姿勢。それこそが、日本人の和心を形にした商いであり、商売性を度外視したかのように見える戦術で実は顧客の好感度を高めているのです。



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