日本人は世界一のテレビ好き

先ごろ発表されたある調査で、1日あたり平均4時間という視聴時間の長さから日本人は世界一のテレビ好きとの発表がありました(ユーロデータTV社調べ)。

これにDVDやテレビゲームを加えれば、われわれの余暇時間の大半はテレビ画面をみつめることで費消されていることになります。

昔と比べると日本人の生活にテレビというメディアが占める割合と、与える影響の大きさにあらためて驚かされることがあり、同時に、そのテレビ自体の内容の変貌ぶりも目をみはるものがあります。

日本のテレビは、全般に何ともお手軽で底の浅い内容が多いような気がしますが、個人の好き嫌いや好みの問題もあるので難しいところですが、まず何より感じることは映像や音が、確実により刺激的になっている点です。

ニュースにしてみてもタイトルバックに、なぜあれほどゴチャゴチャと色と物が出てこなければならないのか、理解に苦しむところがあります。多分ほかにも同様なケースは多いに違いありません。


テレビCM
こうした傾向がさらに凝縮されるのが、民放のコマーシャルです。短い間に詰め込めるだけ、詰め込めとばかり色と音と絵が、これでもかと乱舞する。

大半が30秒であるアメリカのCMは、ストーリー性がありスローモーションなどもよくみられるが、対照的に15秒が主体である日本では、早送りやフラッシュバックが目立ちます。

当然、メッセージは早口になり、30秒で168の標準音節数に対し、260音節を超えるCMも出現しているのです。また、番組の中でもよく耳につく高っ調子のナレーションはどう考えてもあえて軽薄さを強調しているとしか思えないし、海外ではあまり聞いた覚えがないです。

ついでにいえば、最近のテレビCMでひたすら物を食べる音や飲み込む音を強調したものが多くあります。人が動物であることを再認識させる咀嚼音や嚥下音をわざわざ聞かせるこのCMを聞くたびに、耳を覆いたくもなります。CMの意図からはどうでもよいことでしょうが、国際感覚はゼロのPR手法といえるかもしれません。

97年、アニメ番組をみていた子ども700人以上が気分が悪くなり、一部が救急車で病院に運ばれる騒ぎがありました。

この原因は、光の高速度点滅が画面を通して視聴者に過激な刺激を与えたためで、心理的あるいは病理的な観点から種々の議論がありました。それ以降はテレビに近づきすぎないような警告の表示が必ずしてあります。

特に、普通の番組ばかりでなく子ども向け番組にも破壊、暴力、殺人などのシーンが多い現状を憂慮する声は多いです。感受性豊かで吸収力も大きく、そして日本の将来を担うべき子どもたちに対して、このようなシーンが与える影響については、十二分の注意を払って見守っていく必要があります。

その際の参考として、96年にNHKと民放各社が制定した『放送倫理基本綱領』の一節を紹介しておきます。

「放送は、いまや国民にとって最も身近なメディアであり、その社会的影響力は極めて大きい。われわれは、このことを自覚し、放送が国民生活、とりわけ児童・青少年および家庭に与える影響を考慮して、新しい世代の育成に貢献するとともに、社会生活に役立つ情報と健全な娯楽を提供し、国民の生活を豊かにするようにつとめる」



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