日本人のレジャーが内向きなのは自由さが足りないから

海外の人々に比べると、日本人のレジャーは総じて内向きなものが多いといえます。例えば、余暇開発センターが発表した「レジャー白書」によれば、過去8年の余暇活動への参加状況をみると、ほとんどが低落傾向にある中で、上昇したのは「外食」「園芸、庭いじり」「テレビゲーム」の3つでした。

より大きな流れとして金銭消費型から時間消費型へ、男性主導から女性リード型への変化の傾向もあるということです。確かに、この3つはそれほどお金は使わないが、時間はたっぷりかかるものばかりです。

また、夫や子どもが家にいない日を自分の休日だと思う女性が増え、夫や子どもの休みがすなわち自分の休日だと思っている層が減っていることは、わが身の近辺をみてもうなずかざるをえないところでしょう。

また、最近は国内経済情勢の影響や円レートの推移もあって、安・近・短の旅行やレジャー施設が人気を集めています。

ところで、日本人の余暇活動で以前から再々いわれながら、一向に改まらない事項が休暇の集中化です。決まった時期に一斉に皆が出かければ、交通手段や宿泊場所が混雑するのは自明だし、ピーク時にあわせて設備や体制を整えれば閑散期には収益が下がり、結果的にコストが高くなることはだれでも分かることです。

にもかかわらず、依然として渋滞や混雑もものかわ、ひとつの時期に競って日本人がレジャーに出る理由は何なのでしょうか?

ドイツでは、各州ごとに企業と学校の夏季休暇をずらしており、数年先の分まで予定がたてられているといいます。また、フランスでは国全体を3つのゾーンに分けて、学校の休みをずらしているし、アメリカでも学校ごとに2週間程度の調整を行っています。

日本でこれができないわけは、休暇自体が欧米に比べて短いことと、日本人の意識の底にしみついた横並び意識であるに違いありません。


日本人のレジャー行動
日本人のレジャー行動について、分析と提言を行い同時に、海外パック旅行、国内旅行、ゴルフ、テニス、コンサートの5項目について、レジャー料金の国際比較を行っているのが『遊びの値段』(経済企画庁物価局編)という興味深いレポートである。

「日本人のレジャーの特徴とその背景」についての同レポートの分析を紹介しよう。 まず、その特徴として、①半ばお仕着せの高級志向…日本では消費者の選択の自由のない中で、おしなべて高級志向が強いこと、②職場と強く結びついたレジャー…日本独特の慣習として接待(ゴルフ、旅行、演劇等)、従業員の福利厚生、冠コンサートなど国民のレジャーは職場と強く結びつくこと、の2点があげられています。

そして、この背景としては、①日本人の意識の上ではレジャーは日常的に自由に楽しむ遊びではなく、特別な行事または社会の意識に引きずられた行動であり、そのために周囲へのみえもあって思い切ったお金をかける昔ながらの意識、②社用ゴルフや各種の法人会員、冠公演、演劇や相撲での接待など、法人需要が日本のレジャーサービスの急速な普及を先導してきた事実、を指摘しています。

ではこうした事態を、改善するためにはどうするべきなのでしょうか。提言は以下の5点です。
①規制緩和、税制面など政府の役割、②休暇制度、メセナ支出など企業努力、③仕事と私生活の分離、夫婦単位の行動など個人の意識変革、④選択の自由の提供、料金体系の合理化などレジャー関連業界の協力、⑤欧米型クラブ制度の再評価。 いずれにしろ、遊びについてもいろいろと考える余裕は常に持ちたいものです。



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