日本を徹底分析して世界でのイメージやランキングを公開
目次
大型クルーズ客船が全国各地に来航
1.近年、海外からのクルーズ客船を誘致する動きが全国各地で見られています。大型客船の寄航による地元の買い物需要が期待されているからだ。新聞では大型クルーズで観光振興富裕層立ち寄り期待と題して、誘致に成功した地域で観光振興や経済効果に期待が高まっている各地の事例を紹介している。
富山県では、米ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(フロリダ州)の大型客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が伏木富山港に寄港した。ボイジャーは、アジアを航行する最大のクルーズ船で総トン数13万7000トン。定員は乗客3840人。天津を出発し、伏木富山、室蘭、東京、長崎、釜山を経由して天津に戻った。横浜では、米大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」を誘致。北海道、九州、京都など国内一五港や韓国、台湾、ロシアなどを巡るクルーズが20回実施される。
2.沖縄は日本最大のクルーズ寄港地
外国の大型クルーズ客船の来航は、寄港地の風景を大きく変えている。なかでも日本最大のクルーズ寄港地となっているのが沖縄県だ。
ゲンテイン香港が運航するカジュアルなクルーズ客船は毎年4月から10月まで週1回、那覇港に寄港し、毎回約1500人の台湾客が観光のため上陸する。
基本、3泊4日で基隆-那覇-石垣-基隆を航行。料金は最も安いシーズンで、2泊3日の基隆-石垣往復が3万3千円から。1日単価は約1万円という破格の安さだ。
約1300人の台湾客が那覇に上陸した。クルーズ客船の停泊する埠頭には約20台の大型パスが並ぶ。クルーズ客の半分が沖縄各地を周遊するオプショナルツアー(岸上観光)に参加するためだ。残りの半分は、那覇市内に自由観光に出かける。そのためその一日、那覇市内の繁華街にある国際通りや公設市場は台湾客でにぎわう。市内の風景は一変した。
那覇市観光協会のスタッフはいう。「クルーズ客の半数が那覇市内で買い物や食事をして一日過ごす。宿泊はしないが、わずかな時間で一度に買い物するので、大きな経済効果が見込める。沖縄は台湾や上海、韓国から近いので、クルーズ市場において優位な立地にある。13万トン級の大型客船が接岸できる国際ターミナルとして整備される予定だ。
夕方になると、クルーズ客船は出航し、石垣島に向かう。翌朝、石垣島に上陸する客を待っているのは離島観光だ。
3.入国審査の短縮が課題
外国船籍のクルーズ客船の来航が増えることで、入国審査の短縮も受け入れ体制上の課題となってきた。日本経済新聞は「新時代の入国管理大型クルーズ船審査急げ」と題し、鹿児島県に寄航したクルーズ客船の乗客に対する出入国審査の様子を報じている。
「客船の観光上陸(入国)は半日程度。シーズン初めの三月下旬に鹿児島港に入った客船(11万6000トン)は豪州発で乗客1000人。午前8時から30分ごとにパス30台が市内観光に客を運ぶ。出港は午後4時だ。
1分でも長く滞在を楽しんでもらうためには、入国審査時間の短縮がカギを握る。
福岡入国管理局鹿児島出張所は福岡から応援部隊を得て18人のチームを編成し審査に臨んだ。未明に集合して乗船すると六階と七階の食堂ラウンジに臨時の審査場を設営した。午前7時20分、横一列の審査台の前に乗客が並び審査開始。乗客は指紋照合だけ済めば、旅券の写しの表側に仮上陸許可証を貼ってもらい、次々と下船する。乗客誘導など乗員も全面協力し、2時間でほぼ全員が審査場を通過した」。
一般にクルーズ客の上陸に適用されるのは仮上陸許可だ。クルーズ客に対する入国審査の合理化、短縮化は「観光立国」の実現に欠かせない施策となっている。
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