挨拶の時の手や目上の人の右に立つことは日本人の気配り

日本人とりわけ会社や商店に勤めている人であれば、普段何気なく行っている挨拶やビジネスマナーといった作法。
これらにはそれぞれ意味や由来があります。

いくつかある中で、実際に行うことが多いであろうと思われるものを二つについて述べさせていただきます。

挨拶時の手の位置について
接客の時に挨拶をしますが、両手を体の前に出して右手の上に左手を重ねて挨拶をする。
基本的な所作の一つですが、これには意味があります。

まず両手を出すとは、自らが他者に対して敵意や害意が無いことをあらわすものでありました。

さらに右手とは武器を持つ手であり、それを左手で抑えておくという所作は、同じく敵意害意がないという意思を現したものです。

古くは侍が目上の者対して、もしくは挨拶の際に袖から手を出していたという所作が由来となっております。

何気ない挨拶の一つと考えていたものに、細やかな意味合いが込められている。
察して思いやる、忖度し応えるという日本人らしい行動であると言えます。

目上の者の右手側に立つことについて
ビジネスマナーの話になりますが、基本的に上司を自分の左手側にして歩く、ということをご存知の方は多いでしょう。

日本の歩道や車道では左側通行、つまり互いに左側を行き交うことで歩行者や交通の流れを作っています。

では、上司を自身の左手側にして歩くということの意味ですが、これにも侍の所作が由来しております。

侍が上司、つまりは目上の者を自身の左手側にして歩くことは私は礼儀を守っておりますが、もし至らぬ点があればご随意に切り捨ててくださいという謙譲の意味合いがあります。

帯刀して右利きであった場合、刀を差すのは左側になります。
刀を抜く時は右手で行い、振り抜きやすいのは右手側となります。
帯刀している場合、左側にいる者は右手側の者を切りやすいのですが、右側にいる者は左手側の者を切りにくいのです。

現代の作法に当てはめると上司・目上の者の利き手側、基本的には右側に位置して荷物を運んだり、歩きやすい位置を譲るとなります。

ビジネスマナーとしては基本的なことですが、こういった初歩的なマナーにおいても行動の意味があり、それには由来があるのです。

接客時における挨拶の手の位置や、歩く時ですら目上の者への配慮をする。つくづく日本人は行儀作法を心得た、気配りをする民族なのだと思います。




この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!


ナビ